課題の叩き台(演繹メモ)・議事録の別紙

Aさまの営業の「詰まり」仮説と、
そこから派生しうる課題の書き出し

初回1to1(50分)の会話だけを材料に、須長が推論で書き出したものです

この紙の使い方:当てにいった診断ではなく、ズレていて当然の叩き台です。読みながら「確かに」「違うな」「分からない」を直感で選んでください。「違うな」こそ大歓迎——どうズレたかが、次回の分析の一番の材料になります。

※ 本資料は、実際の初回1to1でお相手にお渡しした議事録から、個人が特定される情報を編集した匿名サンプルです。お名前は「Aさま」と表記しています。

🔍出発点:本日の会話で見えたこと

Aさまご自身の言葉から(趣旨の引用):

「深く聞き込むことは正直得意じゃない。表面の課題を聞いて、その課題に自分の推測を当てはめてしまう。本当はさらに深掘りする必要があるのに、踏み込んでいけない」── ヒアリングについて
「提案をボンと出して「どうですか?」になってしまう。相手もどう返せばいいのか分からず、もやもやっとした感じで「もうちょっと考えますね」で終わることが結構多い」── ご提案の運びについて
須長の見立て:これは「クロージング力」の問題ではありません。Aさまは推論が速い(AとBが見えればCが見える)。強みである推論の速さゆえに、会話がお相手より1〜2段先を進み、お相手は消化しきれないまま提案を審査する側に置かれる。消化できない人は結論を出せないので、「検討します」に逃げる——という構造です。
深掘りへの遠慮 推測で埋める 完成した提案をボンと出す 相手が消化不良 「検討します」

🌱根本要因の仮説(3つの層)

R1|思考の層:帰納の速さと、相手の速度のギャップ
技術者として鍛えた「少ない情報から結論に届く力」が、会話の抽象度を1段引き上げている。能力の問題ではなく速度差の問題。だから直せます。
R2|様式の層:提案が「納品物」になっている
技術の世界では完成品を納めるのが誠実。しかし商談では、完成した提案は相手を「共に作る人」ではなく「審査する人」にしてしまう。審査は保留されやすい。
R3|心理の層:「深く聞く=踏み込みすぎ」という遠慮
深掘りを相手への負担と感じている。ただし本日の会話のように、相手の言葉を整理して返しながらの深掘りは、むしろ喜ばれる(「有料級」と言っていただけたのがその証拠です)。

🧭解決の方向(次回、具体に落とします)

S1|確認サイクルを1トピック1回:「私はこう思ったんですが、どう思いますか?」。この一言で、お相手は追いつき、判断できる状態に戻ります。

S2|提案を「完成品」でなく「叩き台」として出す:まさにこの紙の形式です。叩き台は相手を共作者にし、「違う」と言える余白が信頼になります。

S3|相手が迷子になった兆候を検知する:相槌が減る・「なるほど」だけが増える・質問が出なくなる——このサインが出たら、進めずに一度戻る。

🔀派生しうる課題(演繹)——「確かに / 違う」を選んでください

上の構造が本当なら、商談以外の場面にも同じ形の詰まりが出ているはずです。7つ書き出しました。

D1要件定義が推測ベースになり、構築後に「思っていたのと違う」修正・手戻りが発生しがちではないか?
ヒアリングの深さは、そのまま構築の精度に直結するため。もし当てはまるなら、営業の課題は制作の利益率の課題でもあることになります。
確かに違う分からない
D2お相手が価値を消化しきれないまま金額を見るので、判断軸が「価格の高い・安い」だけになりがちではないか?
価値が腑に落ちる前に価格が出ると、比較対象は他社見積もりだけになる。値引きの相談や相見積もりに流れやすくなります。
確かに違う分からない
D3「検討します」の後、何が引っかかっているか分からないため追いかけ方が分からず、そのまま自然消滅しがちではないか?
引っかかりが特定できていれば追客は「答え合わせ」になるが、不明のままだと「催促」になってしまい、送りにくい。失注理由が不明のまま積み上がります。
確かに違う分からない
D4成約できている案件は「最初からご自身の課題を言語化できているお客様」に偏っていないか?
もしそうなら、成約はお相手の言語化力に依存していることになる。逆に言えば、深掘りが入れば「まだ言語化できていない大多数」が新しい市場になります。
確かに違う分からない
D5同じ構図がBNIの1to1でも起きて、「何となくの紹介」(角度の低いリファラル)につながっていないか?
1to1で相手の記憶に残るのは「何ができる人か」より「どんな悩みを解決した人か」。深掘りと確認のサイクルは、リファラルの角度を上げる技術でもあります。
確かに違う分からない
D6構築後の改善提案・継続のご提案も推測ベースになり、追加のご依頼・継続率が伸びにくくないか?
運用データを見ながら「私はこう読んだんですが、現場感覚とどうですか?」の確認が入ると、改善提案は納品ではなく対話になり、継続の理由が生まれます。
確かに違う分からない
D7想いを語る自己紹介は機能している一方、その後「相手に語ってもらう」への切り替えがなく、1to1がご自身の説明で終わることはないか?
独立の経緯や想いを話すスタイルは既に武器(ご本人に興味を持ってもらえている)。あと一歩、「あなたはどうですか?」で相手に渡す動線があると、D5と同時に解決します。
確かに違う分からない

✍️次回までのお願い

3ステップ・合計30分くらいのイメージです
  1. D1〜D7 に、直感で 「確かに / 違う / 分からない」 をつける
  2. 「確かに」がついた項目について、思い当たる事例(成約・失注どちらも)を2〜3個、箇条書きでメモする(きれいにしなくてOK。AIに整理させてもOK)
  3. もし期間中にZoom商談があれば、録画か文字起こしを1本残す(あれば分析が一段深くなります。なければ2までで十分です)

※ この紙は50分の会話だけを材料にした推論です。当然ズレを含みます。次回、「違う」と選んでいただいた項目がどうズレたのかを伺うところから、Aさまの実際の営業の型を一緒に描いていきます。

課題の叩き台 v1(初回1to1より・匿名サンプル)|Accomp合同会社 須長 正行